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油の種類(脂肪酸)や特徴、摂取バランス、オススメの食用油は?

油油といっても食用油、サラダ油、牛脂やラード、鶏皮など動物の脂、いろんな種類がありますよね。

一体何が違うのでしょうか?

それぞれどんな特徴があるのか、まとめてみました。

そもそも油って何? 必要なの?

「油=太る。」といった悪いイメージがありますが、三大栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質)の一つで、体を動かすエネルギー源となったり、細胞膜の主成分やホルモンの材料となる大切なものです。

しかし、偏った種類の油や質の悪い油を摂りすぎると、体は錆びてボロボロに…。

正しい知識を身につけ、質の良い油をバランスよく摂取するように心がけていきましょう!

油脂に含まれる脂肪酸の種類

油脂は様々な脂肪酸(脂質を構成する成分)によって構成されています。

そして、脂肪酸は構造によっていろいろと分類されていますが

とりあえず、覚えておきたいのは以下の4つ!

1.飽和脂肪酸 主に肉類の脂(牛脂、ラード、鶏皮)や、乳製品(バターなど)、ココナッツオイル(ヤシ油)、パーム油に含まれている
2.オメガ9 オリーブオイル、キャノーラ油、米油などに含まれている
3.オメガ6 サラダ油、コーン油、ひまわり油などに多く含まれている
4.オメガ3 青魚、えごま油、亜麻仁油に多く含まれている

脂肪酸の分類について

※構造による分類の話しなので気になる方だけ読んでください。

脂肪酸は構造の違いによって、まず、大きく以下の2つに分けられます。

飽和脂肪酸 常温で固体の「脂」。炭素間の二重結合がない
不飽和脂肪酸 常温で液体の「油」。炭素間の二重結合がある

そして、液体の油「不飽和脂肪酸」は、炭素間の二重結合の数によって、さらに2つに分けられ

一価不飽和脂肪酸 炭素間の二重結合が1つ
多価不飽和脂肪酸 炭素間の二重結合が複数

二重結合の位置によって、さらに3つに分類されます。

オメガ9 二重結合の最初の位置が9つ目
オメガ6 二重結合の最初の位置が6つ目
オメガ3 二重結合の最初の位置が3つ目

まとめると、こんな感じ。

飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸 一価不飽和脂肪酸 オメガ9
多価不飽和脂肪酸 オメガ6
オメガ3

そして、脂肪酸は結合している炭素の数(長さ)によっても分類されています。

長鎖脂肪酸 連なっている炭素の数が16~22個
中鎖脂肪酸 連なっている炭素の数が8~12個
短鎖脂肪酸 連なっている炭素の数が6個以下

 短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸は消化・吸収されやすく、エネルギーにもなりやすいので体に蓄積されにくい!

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」が火付け役となり、ココナッツオイル、パーム核油から中鎖脂肪酸のみを抽出した「MCTオイル」というのが人気になっています。

ケトジェニックダイエット(糖質制限ダイエット)の朝食置き換えとして、コーヒーにバターとMCTオイルを入れた完全無欠コーヒーと呼ばれるものを飲むのだとか。

4種類の脂肪酸の特徴

構造によって分類されている脂肪酸の特徴を簡単にまとめてみました。

脂肪酸 オススメ度 加熱 必須脂肪酸
1.飽和脂肪酸
2.オメガ9
3.オメガ6
4.オメガ3

※オススメ度
:積極的に摂りたい油
○:摂ってもよい油
△:控えたほうがいい油
✖:摂らないほうがいい油

※必須脂肪酸:体の中で作ることが出来ないので、食べ物などから摂ることが「必須」の脂肪酸のこと。(飽和脂肪酸、オメガ9は体内で生成できる)

 1.飽和脂肪酸

オススメ度 △:様々な食品に多く含まれており、知らず知らずのうちに摂りすぎている傾向があるので、控えるぐらいがちょうど良いと思います。

【多く含まれている油】

牛脂、豚脂(ラード)、乳製品(バター)など、肉類の動物性脂肪や、ココナッツオイル、パーム油、ヤシ油など。

※パーム油やヤシ油はカップラーメンや惣菜の揚げ物、ポテトチップスのお菓子類などいたるところで使われています。

【特徴】

酸化に強く、加熱調理にも向いているが、バターはタンパク質が含まれており発煙点(加熱により煙が出て酸化しはじめる温度)が120~140度と低いので注意が必要。

また、過剰摂取すると血液中の中性脂肪、コレステロールが増加する恐れがあるので、肉類はできるだけ脂身が少ない部位を選ぶようにしましょう。

⇒ 記事:脂質(飽和脂肪酸)が多い肉の部位

※一時期、ココナッツオイルに脂肪燃焼や美容効果があると注目されていましたが、過剰摂取による副作用(性ホルモンへの影響など)が指摘されているので注意しましょう。

 バターは、健康に良いと噂の「グラスフェッドバター(牧草をエサにしている牛のバター)」がオススメ!

普通のスーパーやカルディには無いようですが、成城石井で発見。

>>成城石井 – フランス グランフェルマージュ社 バイオ・グラスフェッドバター 食塩不使用 250g

250gで2,500円…高い…。

コスパ的には、Amazonや楽天で5kg買いすると安いので、使う分だけバターケースに入れて、残りは冷凍保存するのがいいかも。

サイズ:縦約30cm×横約17cm×高さ約10cm

送られてくるタイミングやショップによりますが賞味期限は1年半程度。ただし、冷凍庫の空きスペースには注意が必要。

最近は、発酵無塩バターを煮詰めて水分やタンパク質などを取り除いた「ギー」というのも人気なようです。

※バターの発煙点は120~140度と低めですが、ギーは250度と高く、炒め物や揚げ物にも最適。

また、グラスフェッドバターから手作りすることも出来ます。

 2.オメガ9(オレイン酸)

オススメ度 ○:酸化しにくく熱に強いので、加熱調理に過剰摂取しがちなオメガ6の代わりに使うのがオススメ。

【多く含まれている油】

オリーブオイル、キャノーラ油(なたね油)、紅花油、米油、アボカドオイルなど。

【特徴】

健康に良いと話題のオリーブオイルには、オレイン酸が多く含まれており、過酸化脂質を作りにくくし、善玉コレステロールを下げずに悪玉コレステロールだけを下げる働きがあると言われています。

 テレビ東京の『主治医が見つかる診療所』で米油(米ぬか油)が健康に良いと紹介されていました。

こめ油には「スーパービタミンE(トコトリエノール)」という非常に強い抗酸化力を持った栄養素や、γ(ガンマ)-オリザノールというポリフェノールの一種も含まれており、コレステロールの低減、更年期症状の緩和、認知症の予防などの効果も期待できるんだとか。

しかし、後述するようにオメガ6の過剰摂取が気になるところ…。

※米油はオレイン酸(オメガ9)とリノール酸(オメガ6)がバランス良く含まれています。

 3.オメガ6(リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸)

オススメ度 △:安価なため、外食や弁当、お菓子などあらゆるところで使われており、摂りすぎの傾向がある。なるべく摂取を控えると良い。

【多く含まれている油】

サラダ油、コーン油、ひまわり油、グレープシードオイル、大豆油、麻の実油、ウォールナッツオイル、榧の実油、ゴマ油、綿実油など。

【特徴】

オメガ6は「リノール酸がコレステロールを低下させる作用があり、体に良い。」という情報が流れ、一時期、ブームになりました。

しかし、実はリノール酸を摂りすぎると、悪玉コレステロールだけではなく、善玉コレステロールも減らし、ガンを促進する恐れがあることがわかってきました。

また、リノール酸は血液凝固、血栓促進、炎症促進、アレルギー促進作用(オメガ3とは逆の作用)があり、過剰摂取すると、アトピーや花粉症、喘息などのアレルギー反応を促進するのではと考えられています。。

さらに、高温加熱することで「ヒドロキシノネナール」という有害物質が発生することもわかっており、何かと嫌な噂ばかり…。

それでも、まだまだスーパーの油コーナーには沢山のサラダ油が並んでいます。

外食やコンビニ、お惣菜や揚げ物をよく食べる人は、日常的にオメガ6を過剰摂取してしまっている可能性が高いので、なるべく摂取を控えましょう。

 サラダ油ってなに?

その名の通り、もともとは「サラダ」(マヨネーズやドレッシングなどに使用)に合う油として開発されたもの。

現在はJAS(日本農林規格)で定められ、JAS認定工場でつくられる以下9種類の油のみサラダ油の原材料として使うことが出来る。

・紅花油
・ひまわり油
・綿実油
・大豆油
・コーン油
・ごま油
・米ぬか油
・落花生油
・キャノーラ油(菜たね)

2種類以上の原材料を調合させてつくったものは「調合サラダ油」とよばれる。

市販されているほとんどは、キャノーラ(菜種)油と大豆油が混合された商品である。

 4.オメガ3(EPA、DHA、α-リノレン酸)

オススメ度 ◎:積極的に摂ったほうがいい油。(さまざまな健康効果が期待されているが意識しないと摂ることが出来ない)

【EPA、DHAが多く含まれている油】

青魚の油

【α-リノレン酸が多く含まれている油】

えごま油(しそ油)、亜麻仁油(フラックスオイル)、サチャインチオイル(インカインチオイル)など。

【特徴】

青魚に多く含まれるオメガ3のEPA、DHAはコレステロール値の低下、血流の改善など生活習慣病の予防に効果があるとして非常に注目されています。

また、EPAは脂質異常症の治療薬としても使われています。

※「えごま油」、「亜麻仁油」、「サチャインチオイル」に多く含まれているα-リノレン酸のごく一部(数%)はEPA、DHAへと変換される。とのこと。

オメガ3には血管拡張、血管抑制、炎症抑制、アレルギー抑制(オメガ6と逆の作用)があり、過剰摂取気味のオメガ6とバランスよく摂取する必要があるので、オメガ6の摂取を控えて、オメガ3を積極的に摂るように心がけましょう!

魚が苦手な人はEPA、DHAサプリを飲むのもオススメです。

管理人オススメのEPA、DHAサプリ

 テレビ東京の『主治医が見つかる診療所』でオメガ3チャンピオンとして「サチャインチオイル(インカインチオイル)」が紹介されました。

サチャインチオイル

サチャインチオイルは酸化しやすく熱に弱いという「えごま油」、「亜麻仁油」の弱点をカバー!

抗酸化作用をもつビタミンEが含まれているので、酸化に強く、加熱料理(180度程度)にも使うことができるそうです。

味もクセがなくサラっとしているんだとか。

ただし、えごま油、亜麻仁油に比べて、サチャインチオイルはオメガ6のリノール酸も多く(30%前後)含まれているのが気になるところ…。

 魚油のオメガ3脂肪酸は前立腺がん抑制に働いたのに対し、α-リノレン酸は、過剰摂取すると前立腺がん罹患リスクが増加することがわかってきているそうです。

⇒ 参考:大和薬品 前立腺がんに対する戦略

※男性は「えごま油」、「亜麻仁油」、「サチャインチオイル」を摂りすぎないように注意したほうがいいかもしれません。

α-リノレン酸の1日摂取量目安は成人で2.0~2.9g以上。(油、小さじ1杯程度。)

市販されている油の脂肪酸の割合は?

市販されている13種類の油に含まれている脂肪酸を調査し、内訳を棒グラフにしてみました。

油の理想の摂取比率

油の理想の摂取比率は、

【飽和脂肪酸】  :
【一価不飽和脂肪酸】(オメガ9)  :
【多価不飽和脂肪酸】(オメガ6、3)

が良いといわれており、

このうち、オメガ6とオメガ3の理想比率の内訳は

【オメガ6】4:【オメガ3】1

が理想と言われており、最近では1:1が良いと言う栄養学者も増えてきてるんだとか。

※サラダ油などに多く含まれているリノール酸(棒グラフで緑色)は、過剰摂取するとアトピー、花粉症、喘息などのアレルギー反応が起きやすくなったり、加熱すると「ヒドロキシノネナール」という有害物質が発生することがわかっているそうなので、摂りすぎには注意しましょう。


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