中性脂肪とは?
そもそも中性脂肪とは何なのでしょう?
体に悪いものなのでしょうか?
中性脂肪とは、あぶら(脂質)の一種で、私たちのお腹周りやお尻、二の腕、ふくらはぎなどについているプニプニしたものです。
食べ物でいうと、とんかつやサーロインステーキの白い脂の部分、天ぷら油、サラダ油などの植物油も中性脂肪になります。
中性脂肪はこのような食べ物から体内にとり込まれるほかに、ブドウ糖を原料として肝臓でも作られます。
そのため、油っこいものだけを控えればいい!という訳ではなく、食べ過ぎ、飲み過ぎにも注意しなければなりません。
中性脂肪の役割
中性脂肪は体を動かす時のエネルギー源となり、使われずに余った分は皮膚の下の脂肪組織や肝臓に蓄えられます。
栄養をエネルギー源として蓄える場合、たんぱく質や脂質よりも中性脂肪のほうが2倍以上も効率がいいのです。
(脂が美味しく感じられるのは、このせい!?)
具体的なエネルギー量は、炭水化物、たんぱく質が1gあたり約4kcalなのに対し、中性脂肪は1gあたり約9kcal!
エネルギー源を蓄えるようになったのは、その昔、食べ物がなかなか手に入らない時代に生き延びるためだったのでは?とも言われています。
しかし、今では食べ物も溢れているので、食べ過ぎて運動しなければ、蓄えた中性脂肪は消費されずに増えるいっぽうなのです。
中性脂肪が蓄えられる場所と役割
中性脂肪は、体に蓄えられる場所によって、
皮下脂肪(皮膚の下についている脂肪、指でつまめる部分)、
内臓脂肪(臓器周辺(小腸や肝臓など)についている脂肪)
と呼ばれ、それぞれに役割・特徴があります。
※体脂肪=これら、体についてる脂肪全体のこと。
皮下脂肪の役割・特徴
- 体から体温が失われないようにする。
- 外部からの刺激や衝撃をやわらげる。
- 女性は付きやすい。
- 燃焼しにくい。
- 骨格などに負担をかける。
内臓脂肪の役割・特徴
- 臓器があっちこちに動かないように一定の位置に保つ、いわば緩衝材。
- 男性がつきやすい。
- 燃焼されやすい。
- 生活習慣病を引き起こす原因となる。
中性脂肪の基準値
中性脂肪の基準値 | |
---|---|
30mg/dl未満 | 低すぎる |
30~149mg/dl | 基準値 |
150~299mg/dl | やや高い(軽症) |
300~599mg/dl | 高い(中等症) |
600gm/dl以上 | 非常に高い(重症) |
血液検査での中性脂肪値が150mg/dl以上になると脂質異常症と診断されます。
また、逆に血中の中性脂肪値が低すぎる場合は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や肝機能などの病気である可能性があります。
血液中の中性脂肪値は朝食や前日の食事の影響を受けるので、油っこいものを大量に食べたり、暴飲暴食した覚えがある場合は再検査してみましょう。
軽症~中等症程度であれば、食事療法、運動療法を行ってから、数ヵ月後に再検査してみても良いと思います。